札幌市の子ども医療費助成まとめ【2026年】
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北海道最大の政令指定都市、札幌市。人口約197万人を抱える道内随一の大都市だ。子ども医療費助成制度は18歳到達後最初の3月31日まで対象で、所得制限はない。初診時のみ580円(医科)・510円(歯科)の一部負担があるが、再診・調剤・入院は無料となっている。道内の他の政令市はなく、近隣の小樽市・江別市・北広島市と比較しても水準は高い。
制度の仕組み(国・都道府県・市の3階層)
子どもの医療費は「国の健康保険制度」「北海道の助成制度」「札幌市の上乗せ」という3層構造になっている。それぞれが何を担っているかを理解すると、制度の全体像がよくわかる。
国の健康保険制度
国民健康保険・社会保険加入者の子どもは、未就学児(6歳まで)は医療費の2割負担、小学生以降は3割負担が原則だ。このままでは、子どもの通院・入院のたびに相当の自己負担が生じる。これを補うのが都道府県・市区町村の独自制度だ。
北海道の制度
北海道は「乳幼児等医療費給付事業」として、道内市町村と協調して子どもの医療費を助成する制度を設けている。この財源の一部が各市町村に交付され、市町村はそれを活用しながら独自の上乗せを行う仕組みだ。
札幌市独自の上乗せ
札幌市は道の制度に上乗せする形で、対象年齢を18歳まで拡大し、所得制限を設けずにすべての子どもを対象としている。2024年度以降は高校生世代(16〜18歳)も対象に含まれた形だ。
札幌市の制度内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 0歳〜18歳到達後最初の3月31日まで |
| 通院(初診) | 医科:580円、歯科:510円 |
| 通院(再診) | 無料 |
| 調剤 | 無料 |
| 入院 | 無料 |
| 所得制限 | なし |
| 医療証の名称 | 子ども医療費受給者証 |
| 対象範囲 | 通院・入院・調剤・柔道整復・はり・きゅう |
この表のポイントは「再診・調剤・入院が無料」という点だ。子どもが多くの医療機関を受診するのは、発熱や感染症で2〜3日おきに通院するケースが多い。再診無料であれば、こうした頻繁な通院でも一切費用が発生しない。
節約額の計算
医療費助成がない場合と比較した際の節約額を試算する。
前提
- 子ども1人が年間10回通院(うち初診2回、再診8回)
- 1回あたりの医療費(保険診療分):2,000〜3,000円
助成なしの場合(3割負担)
- 1回あたり自己負担:600〜900円
- 年間:6,000〜9,000円
札幌市の助成を受けた場合
- 初診2回:580円×2回=1,160円
- 再診8回:無料
- 年間負担:約1,160円
年間節約額:約4,840〜7,840円
子ども2人、小学校6年間で計算すると: 4,840円×2人×6年=約58,080円〜の節約
入院が発生した場合はさらに大きく、1入院あたり数万円〜十数万円の助成が受けられる。
近隣自治体との比較
| 自治体 | 対象年齢 | 自己負担 | 所得制限 |
|---|---|---|---|
| 札幌市 | 18歳まで | 初診のみ580円/510円 | なし |
| 小樽市 | 18歳まで | なし(2024年度から) | なし |
| 江別市 | 18歳まで | なし | なし |
| 北広島市 | 18歳まで | なし | なし |
| 恵庭市 | 18歳まで | なし | なし |
注目すべき点は、近隣の小規模自治体(小樽市・江別市・北広島市)では初診の一部負担金が廃止されており、かえって自己負担がゼロとなっているケースがある。札幌市は政令市として制度設計の自由度があるが、財政規模の観点から初診580円の負担を残している。一方で対象年齢の広さ・所得制限なしという点は変わらない。
対象外になるケース
以下は子ども医療費助成の対象外となるため、全額自己負担になる。
- 入院時の食事療養費(1食につき460〜490円程度)
- 差額ベッド代(個室・準個室の追加料金)
- 健康診断・乳幼児健診・予防接種(保険適用外)
- 学校管理下でのケガ(日本スポーツ振興センターの災害共済給付が優先)
- 入院中の雑費・交通費
特に「学校のケガ」は誤解が多い。体育の授業・部活動などで骨折した場合は、まず学校経由でスポーツ振興センターに申請する。そちらが優先となるため、医療証は使えない場合が多い。
申請の流れ
- 出生届または転入届を提出(区役所の戸籍住民課)
- 健康保険証の交付を受ける(保険証が手元になくても申請は可能な場合がある)
- 子ども医療費助成の申請書を記入し、区役所の窓口に提出(保険証のコピーが必要)
- 子ども医療費受給者証が郵送される(申請から1〜2週間が目安)
- 受診時に保険証と受給者証を医療機関の窓口に提示
よくある質問
Q1. 保険証がまだ届いていないが、受給者証は申請できるか?
申請は可能だが、保険証の情報(保険者名・番号等)が必要になる。健康保険組合等に問い合わせて加入情報を確認し、後日保険証のコピーを提出する形で手続きを進められる。出生後すぐに申請したい場合は、区役所窓口に事情を話して相談するとよい。
Q2. 転入してきたばかりだが、すぐ使えるか?
転入届を提出し、受給者証の交付を受けた後から使用可能だ。転入日から遡って適用されるため、受給者証が届く前に受診した場合でも、後日還付申請で助成を受けられる。転入届と同日に医療費助成の申請も行っておくとスムーズだ。
Q3. 初診580円の「初診」とはどういう意味か?
同じ病気・けがで同じ医療機関に初めてかかるときが「初診」だ。再度同じ症状で同じ医療機関にかかる場合は「再診」となり無料。ただし、別の症状や、いったん治癒してから同じ病気で再受診する場合は「初診」扱いになることがある。不明な場合は受付窓口で確認するとよい。
こんな家庭には札幌市が向いている
医療機関へのアクセスを重視する家庭:北海道大学病院をはじめとした高度医療機関が市内に揃う。持病のある子どもや医療的ケアが必要な子どもを持つ家庭には、医療環境の充実は大きなメリットだ。
所得制限なしで安定した制度を求める家庭:所得が一定水準を超えると医療費助成が打ち切られる自治体もあるが、札幌市は所得制限なしで全世帯が対象となる。収入が変動しても安心して使い続けられる。
18歳まで長期にわたってカバーしたい家庭:高校生まで対象であるため、思春期の歯科受診・メンタルクリニック受診なども助成範囲に入る。長期的に見ると助成の総額は大きくなる。
関連記事:
出典:
- 札幌市「子ども医療費助成」
https://www.city.sapporo.jp/hoken-iryo/iryojosei/nyuyoji.html
- こども家庭庁「令和6年度こどもに係る医療費の助成についての調査」
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kodomoiryouhityousa-r6
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